マイストーリー
僕が生まれた日に父が創設した会社に僕は育てられました。
「お前が生まれた時に立ち上げた会社だ」と子供のころから良く聞かされてきました。
当時の少年の心に大きく響く言葉でもありませんでしたが、「お父さんは社長だ」という感覚は常に持っていました。
周囲の友達がジョイマンのラップみたいに言う「お父さん倒産♪」なんて言葉の方が少年の心に突き刺さったものでした。
今思えばその頃から「倒産」という強烈すぎるワードに怯えていたのかも知れません。
子供の頃から嫌いだったなあ「倒産」っていう言葉。
その会社の最後は僕が責任もってその歴史を閉じました。
もっと上手くやる方法もあったかも知れません。
ほかに手立てが無かった訳でもないでしょう。
感謝と誇りの思いはありますが、 後悔が無い訳ではありません。
最後は資金繰りに追われる日々で本当に苦しい毎日でした。
ついには法外の手数料を払い、手形を振り出し、その手形を担保に金を借りる…
そんな闇金にまで手を出しました。
僕の知らないところで情報がどんどん広まり、色々な業者から次々と勧誘が来るようになりました。まさにこれがシステム金融って言うんですね。
そしてシステム金融沼にはまってしまった僕が、次にどうなったか?
ついに詐欺被害に遭いました。
そういうことなのです。変なとこから金借りようとして変なことに巻き込まれました。
悪い奴らと付き合っちゃ絶対ダメなんです。今までの踏ん張りが台無しになる。
普通はここで倒れます。
でも諦めずに踏ん張りました。諦めなければ道は開けます。
僕のケースはというと、大口の契約決まりキャッシュフローにほんの一瞬だけ余裕が出来た時に、今しかないとそんなヤバい手法からは手を引きました。
あの時で止められて本当に良かったわ。最後の時にヤバいところから借りたり、悪い相手に手形を振出していたらと思うとゾッとします…
ヤバいことは止められて良かった。
やめたから今こうして心穏やかに、回顧を出来ているんです…
すると…
そんな絶望的な状況のなかでも、色々な人が次々と登場して助けてくれます。
コンサルタント、銀行マン、M&Aのスペシャリスト、 弁護士の先生方、 友人知人、そして家族。色々な人が助けてくれました。
不思議な感覚でした。しぶとく諦めなければ悪いようにはならないな…
といつからか、そう思えるようになりました。
本当に感謝の日々でした。
今、苦しい思いをしている、そこの社長、大丈夫、あなたの味方はまだまだ現れる。
今日がダメでも、明日また次の人が救いの手を差し伸べてくれる。
そうこうしているうちに、いわゆるM&Aが始まりました。
結果、破談にはなりましたが、相手を恨む気持ちは毛頭ありません。
むしろ感謝しています。数カ月、色々と勉強させて頂きました。
夢を見させて頂きました。
それでも諦めずにもがいた結果、ついにホワイトナイト登場 …
とりあえずここまで頑張りました。
北京五輪のフリーの演技終了後のインタビューで「いやぁ、もう一生懸命、頑張りました。正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。報われない努力だったかもしれないですけど。でも一生懸命、頑張りました」と話した羽生結弦さんの足元にも及ぶかどうかはわかりませんが、ひとまず頑張りました。
報われない努力もある…ということはね、もういい大人だから、だいぶ前から薄々は気付いていたけれど、報われなかったら、まだまだ努力が足りないんだと思うようにしました。そうでも思わなきゃ、逆にやっていられませんでした。
羽生さんの言うことの逆は無いんだということも知っていたから。報われない努力はある。でも努力しないで報われることは無い。ということは。
だからこれからも努力し続けなければならないのです。
諦めたらそこで試合終了です。
あと少しです。一緒に乗り越えましょう!